「子供の歯は虫歯になっても永久歯に生え変わるから、放っておいても大丈夫!」なんて思っていませんか?実は、この時期にこそ、細心の注意を払っていただきたいのです。
小児期は顎の成長に伴い、乳歯から永久歯へ歯の交換が起こる時期です。この時期の起こったほんの些細なことが、その後の顎や歯の成長に大きく影響し、健康的な発育を阻害することがしばしばあります。たとえば、虫歯や咬合、癖などです。このような阻害因子を早期に発見し、適切に取り除いていくことがお口の健康な発育を促します。
また、お子様が大きくなって、自分一人でお口の健康を保っていくためには子供の頃に正しい知識と生活習慣、ホームケアのテクニック、そして歯医者への慣れを身につけておくことが最適です。小さい頃ですと、素直に身につきますが、反対に、一度身についてしまった誤った健康観や生活習慣をその後変えていくことは極めて難しいからです。現在、「人生100年時代」と言われるようになりました。お子様が成長された頃には、さらにどのような時代が待っているのでしょう。100年生きるとしたら、65歳で総義歯になったとき、その後、決して短くはない35年を義歯で過ごすことになります。義歯の技術はさらに向上していくでしょうが、やはり自分の歯に勝るものはありません。保護者の、さらにその先を生きていかなくてはならないお子様に「健康なお口」を守る力を育てていくことは非常に大事なことなのです。
保護者とかかりつけ医が協力し、予防処置をしつつ、お子様の発達・成長過程を注意深く観察し健康な発育を促していくことがこの時期は何より大切なのです。